願い


夕焼けの後の静けさがとても嫌だった
みんなそれぞれ賑やかな家に帰ってくんだ

母親(おふくろ)の手紙はいつでも机に置いてあった
「お米を磨いでおきなさい」短く書いてあった

お腹が鳴り出すと弟ぐずぐずぐず
味のり食べながら飢えを凌いだ

「もっと、もっと、もっと、もっと・・・
母親と一緒に居たいよ」って弟が言った
きっと、きっと、きっと、きっと・・・
弟の涙は僕と同じなんだと思ってたんだ

たったの一度キリだった父親(おやじ)とのキャッチボール
後のも先にも無かっただから覚えてんだ

ノックをしてくれた父親はとても下手だった
取れない球も飛び込んではしゃぎまくってた

あんなに喜んであんなに笑ってたのに
親不孝ばかりだねバカ息子だね

そっと、そっと、そっと、そっと・・・
母親と父親の幸福(しあわせ)を心に想った
きっと、きっと、きっと、きっと・・・
あの頃の笑顔を取り戻せます様に夕日に願う

夕焼けの後の静けさがとても嫌だった
みんなそれぞれ賑やかな家に帰ってくんだ


Word by Masashi Atarashi 2002